2010年10月9日土曜日

スポーツドリンクは何が良い

スポーツドリンクの数は多いが、目的によっては害にさえなる可能性があるようです。スポーツドリンクについて知らないことは怖いことです。スポーツドリンクやサプリメントについてDr. Supplimentを参考に状況を確認してみました。
上記サイトには、スポーツドリンクについて非常に重要な知見が記載されています。例えば、糖質については、

  • 糖質濃度が高いほど糖吸収は優れていますが、逆に水分吸収は低下します。ところが運動中に糖質を補給しなければならない状況下では体内は低血糖状態にあります。多量のグルコース(砂糖・蔗糖・ブドウ糖など)摂取によって引き起こされる急激な血中グルコース上昇はインスリンのリバウンド効果による過剰分泌により直ちに低血糖症を生じます。つまりエネルギー補給にならないのです。(引用)
  • 脂肪燃焼目的で有酸素運動を行なった後、普通なら数10分程度の脂肪燃焼が継続しますが、果糖以外の糖質を一口でも摂取すると直ちに脂肪燃焼が終わることを知っておいてください。(引用)
一番目は良く飲まれているポカリスウェットは糖分濃度(約6.8%)が高すぎて、運動時にそのままの濃度で飲むことは進められない事実があります。糖質も果糖ではなく脂肪燃焼を考えて運動している人には非常に重要な情ではないでしょうか。これらを含め非常に貴重な知見がまとめられていますので、是非上記サイトを参照してください。

ちなみに、このサイトでは運動時にミネラルウォーターを飲むことを薦めています。よく読んでいただければその理由も明白です。
過激な運動を行うなら、エネルギー補給と疲労を取り除くことを目的にスポーツドリンクを併用して用いることになります。選択に当たっての基準は以下の項目です。
  • 糖質は必ず5%以下で果糖使用の物(余計な糖質・アミノ酸入り(トリプトファン・グルタミン等)のものは禁物)
  • スポーツドリンクに必要な要素は、果糖+クエン酸+アルギニン+(BCAA)
  • BCAAはバリン:ロイシン:イソロイシン=1:2:1が理想の配合比
今や、運動中の理想のエネルギー源=果糖+クエン酸+アルギニン(疲労物質アンモニアの生成抑制目的)であることは、スポーツ医学界の常識です。(これにBCAAをプラスすればより完璧!) (引用)
それにしても、このような情報があるにも関わらず、この範疇に入らないスポーツドリンクが依然として多いことには驚きです。サイトでも評価されていますが、VAAMウォーターなどBCAAの宣伝しても濃度が非常に薄く効果は期待できないスポーツドリンクを飲んでいる状況は、スポーツジムに行ってみれば分かります。

それでは、スポーツドリンクの状況を確認してみます。
まず、歴史の長いポカリスエットとアクエリアスを見てみましょう。以下のように、ポカリの糖質は、砂糖、ぶどう糖果糖液糖と、果糖以外の成分が含まれ、炭水化物6.7gということは、糖分が100gあたり6.7g、つまり6.7%ということです。アクエリアスは、糖分は、高果糖液糖、はちみつとなっておりこちらも若干は果糖成分が多いものの、果糖以外も入っています。アクエリアスは疲労回復に効果のあるクエン酸やアルギニン、BCAA(イソロイシン、バリン、ロイシン)も入っていますが、気持ちだけでしょう。


「ポカリスエット」の内容成分   (栄養成分表示:液体100mlあたり)
  • エネルギー:27kcal、タンパク質・脂質:0g、
  • 炭水化物:6.7g、 ナトリウム:49mg、
  • カリウム:20mg、カルシウム:2mg、 
  • マグネシウム:0.6mg 
(原材料名)
  • 砂糖、ぶどう糖果糖液糖、果汁、食塩、酸味料、
  • ビタミンC、 塩化カリウム、乳酸カルシウム、
  • 調味料(アミノ酸)、 塩化マグネシウム、香料 


「アクエリアス」の内容成分 (表示が不十分ですが・・・)
(原材料名)
【ペットボトル・缶・ボトル缶製品】 
高果糖液糖、はちみつ、塩化Na、海藻エキス、ローヤルゼリー、クエン酸、クエン酸Na、香料、アルギニン、塩化K、塩化Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(スクラロース)、イソロイシン、バリン、ロイシン 
【ハンディパック・紙パック製品】 
果糖、はちみつ、塩化Na、海藻エキス、ローヤルゼリー、クエン酸、クエン酸Na、香料、アルギニン、塩化K、塩化Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(スクラロース)、イソロイシン、バリン、ロイシン 


  • ぶどう糖果糖液糖とは:果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が50%未満のもの
  • 果糖ぶどう糖液糖とは:果糖含有率50%以上90%未満のもの
  • 高果糖液糖とは:果糖含有率90%以上のもの

次は、「ヴァームウォーター」へ行って見ましょう。
エネルギーゼロ、炭水化物0.76gですからゼロではないような気もしますが、分解されない炭水化物でしょうか?ステビアが入っていますね。売りはBCAAを中心とするアミノ酸でしょうが全部で300mg、クエン酸はほとんど入っていません。
栄養成分










100ml当たり
  • エネルギー 0
  • たんぱく質 0.3g
  • 脂質 0
  • 炭水化物 0.76g
  • ナトリウム 24.0mg
  • カリウム 12.0mg
  • カルシウム 4.6mg
  • マグネシウム 1.2mg

原材料
トレハロース、食塩、香料、アミノ酸(プロリン、リジン、グリシン、チロシン、スレオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、アルギニン、イソロイシン、アラニン、グルタミン酸、トリプトファン、ヒスチジン、セリン、メチオニン、アスパラギン酸Na)、酸味料、塩化K、クエン酸Ca、塩化Mg、甘味料(スクラロース、ステビア)
 
「エネルゲン」はどうかというと、 果糖のみのようです。炭水化物5.6gはこのまま、5.6%と考えられます。クエン酸は400mg、mアルギニン200mg入っていますが、BCAAは入っていません。運動中の理想のエネルギー源という意味では、果糖、クエン酸、アルギニンの組み合わせは最適な飲料でしょう。BCAAを別途取ることを考えればベストに近いドリンクかも知れません。

<栄養成分>

100ml当たり
●エネルギー:24kcal ●タンパク質:0.4g ●脂質:0g ●炭水化物:5.6g ●ナトリウム:48mg ●カリウム:20mg ●カルシウム:10mg ●マグネシウム:0.6mg ●ビタミンC:96mg●β-カロテン:0.6mg ●ビタミンE:0.2mg●アルギニン:200mg ●クエン酸:400mg

<原材料>

果糖、粉末果汁、食塩、酸味料、ビタミンC、塩化K、貝Ca、香料、炭酸Mg、酸化ケイ素、酸味料(アミノ酸)、β-カロテン、ビタミンE

「アミノバリュー」はBCAAの量が半端ではありません。砂糖が入っていることを除き、かなり理想に近いと思われます。










アミノバリュー4000
(100mlあたり)
●エネルギー:18kcal ●タンパク質:1g ●脂質:0g ●炭水化物:3.6g ●ナトリウム:49mg ●アミノ酸:1,000mg(バリン:200mg、ロイシン:400mg、イソロイシン:200mg、アルギニン:200mg) ●クエン酸:450mg

原材料

アミノバリュー4000
果糖、砂糖、食塩、酸味料、ロイシン、アルギニン、イソロイシン、バリン、塩化K、乳酸Ca、香料、甘味料(スクラロース)、炭酸Mg


上記サイトでは運動時にミネラルウォーターを飲むことを薦めています。
次善の策が、果糖5%以下のスポーツドリンクを水分補給とエネルギー補給に利用し、 
クエン酸+アルギニン+BCAAをサプリメントとして別途利用することを薦めています。

それにしても、このような情報があるにも関わらず、この範疇に入らないスポーツドリンクが多いことには驚きです。サイトでも評価されていますが、脂肪燃焼を目的にエアロビクスに参加し、果糖以外の脂肪燃焼にとってマイナスなドリンクを飲んでいたり、BCAAを含んでいても高価ですが必要な成分の濃度が不十分なドリンクを飲んでいるひとがいかに多いかは、スポーツジムに行ってみれば分かります。

最近は、このような報告のおかげでサプリメントとしては実質的なものが多く出てきました。(それなりに高価ですが・・・) 

ポカリなどは、スポーツ指導者の間では「水で薄めて飲め」というのが常識になっているようで、すでに過去の製品かもしれませんが、ブランドとして、マーケティングの観点から市場から撤退できないのでしょう。改良製品として、ポカリスエットイオンウォーター(低糖分)やアミノバリュー(BCAA中心)などを出していますが、BCAAに関する知識の普及に関しては、ポカリのブランドを破壊しかねないという難しい問題を抱えているのでしょう。


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