実際のストレッチは運動前、運動後に行いますが、特に運動後に重点を置き、疲労して凝り固まった筋肉をやわらかく、柔軟にすることが効果的です。また、ストレッチ自体もヨガのポーズ等が取り入れられており、運動や体の柔軟性を高める運動ともいえるでしょう。
一般的なストレッチ方法は色々ありますが、痛みを感じない程度に筋肉を引き伸ばし、その状態で少し長めの呼吸をしながら一定時間保持するスタティック・ストレッチが我々には最適でしょう。
ストレッチは、そのままの意味どおり、筋肉を引き伸ばす動作が多いのですが、どうして引き伸ばすことで筋肉をほぐすことになるのかは疑問でしょう。ストレッチは筋肉を引き伸ばすことで、筋肉に穏やかな刺激を与え、血流を多くし、凝り固まることを防止しするのです。
その意味で、マッサージのように「もみほぐす」こともストレッチと同様の効果があると考えています。マッサージまでストレッチを拡大してしまうと、異論のある方もおられると思いますが、私はストレッチの本質はむしろ引き伸ばすことよりも、筋肉をもみほぐすことにあるのではないかと考えています。実際に引き伸ばさなくても、マッサージするだけで、引き伸ばしたのと同じように筋肉の柔軟性が回復し、体も柔らかくなります。これはもみほぐしたあとで、ストレッチをやってみると最初からよく伸びるのでわかります。
もみほぐすことの欠点は、背中などの部位は自分自身で「手を使ってもみほぐす」ことは難しいでしょう。そのような部位は、ストレッチがより良い方法なのでしょう。そんな部位でも、もみほぐすための補助道具にストレッチポールがあります。直径20センチ程、長さ1メートル程の円柱ですが、その上に色々な体勢で乗ったような姿勢になり、筋肉をポールに押し付けゴロゴロと転がすことで、筋肉をもみほぐせるのです。あまり強く体重をかけると、筋肉に力が入り硬くなるため、適度な加重を加えることが必要です。これは、動かすために色々な部分の筋肉を使いながらほぐすことにもなり、経度の筋トレともみほぐす動作が一体となった運動になります。
さらに、ペルビックストレッチをするようになりました。ペルビックストレッチは腰骨を中止としたインナーマッスルのストレッチと強化です。年齢とともインナーマッスルが弱り、それが体幹部の腰骨や姿勢のゆがみとなって現れます。その結果腰痛の原因やその他の体の不調につながるとも言われています。そこのあなた、パソコンを前かがみで使ってませんか?姿勢が悪いとインナーマッスルが弱りやすいみたいですよ。
また、実際にストレッチをしてみると、体の左右で硬さに違いがあるのがよく分かりました。それが左右の筋肉バランスなどにも影響しているようです。今は、ストレッチが習慣となり、左右の硬さの違いは徐々にですが少なくなりつつあります。体のゆがみを知り、予防し、あるいは修正するためにも、ストレッチは有効ですよ。
私は、運動後のストレッチにかなりの時間を使っています。それによって、運動後の疲労や筋肉痛を軽減するためには、筋肉をある程度長い時間もみほぐすことが重要だと実感しているからです。運動をしなくても、ストレッチを行うことは、体(筋肉)の柔軟性を高め、老化を防止するたために有効と考えています。
人間は生物として使わない部分はどんどんと切り捨てて行きます。ボケ防止に頭を鍛えるのと同様、筋肉の老化防止のため穏やかなストレッチを毎日行うことが有効です。
