ダイエットをするに従い、自分が必要としている食べ物が明確になり、食事についての概念が変わってきたように感じます。そして、必要な量の食事を工夫して美味しく頂くことによって食事を楽しむことが必要なのだということを学んだように思います。
食事は若い頃から、長い間づっと「食欲」という欲望を満足させるための行為であったように思われます。そこには、適正な量とか質とかの概念よりも、食べたいものを満足するまで食べる習慣がありました。つかり、おなかが膨れることが精神的にも食事には必須の条件だったのです。
それでも、30才代になるまでは太ることもなく、標準体重を維持している健康体でした。30を超えてから少しづつ太り始め、標準体重へ、標準体重の上のほうへ、40台になってからは、太りすぎの範疇に入ってきました。
その間、お酒を飲めば最後にラーメンを食べたりと、今から考えれば恐ろしいことをしていました。そんな日は一日に4000kcalを超えるカロリーを摂取をしていたはずです。通常の食事でも、出されたものは全て食べるというのが通常でしたから、一回の食事で1000kcalを超えたのではないでしょうか。
今考えると、なぜ体重がどんどんと増えていかなかったのかと不思議でなりません。私が食べれば太るという関係を意識するようになったのは、実は40歳を超えてからでした。そしてついに50歳に近づいたときには、体重は83kgを超えるところまで行きました。
一方、運動は継続していましたが、週に1回程度でした。その1回を逃せば2週間運動しないという状況でした。もちろん40歳以上では週に一回の運動では体力の衰えを防ぐことはできません。体力の衰えを補うために家庭用の運動器具も購入しましたが、長くは続きません。自分で外をランニングをするにしても、運動の不規則性から、なかなか継続してできないことに気がつきました。
ジム通いを始めたのはそのような状況を打破し、運動を習慣化するためでした。もちろん、ジムの会費支払いも大きな動機付けになります、さらにジムの良い点はトレーナーや他人の目があり、人の頑張りも良い刺激になります。ジムのトレーナーは、「続けていれば体は自然に引き締まってきますよ」と気軽に言っていましたが最初は信用できなかったものです。
ジム通いはかなり頑張ってしまいましたが、その効果も見事なものでした。最初の3ヶ月で80キロを越えていた体重は70キロを下回るまで落ちました。食事への配慮もしましたが、この時には運動量が半端ではなかったと思います。実際、ランニングマシンを30分から40分、ウェイトを20分、エアロビ等のスタジオ45分、さお上さらに水泳を1キロ、サウナという過激な自己流メニューを週に2回から3回行っていました。当時は、短期決戦で体重を落とすことだけを目標にしていましたので、かなり無茶をしていたと思います。
そんな無理は長くは続きませんでした。膝が痛み出すなど、体の一部が泣き出したのです。体に無理がかかりすぎていましたので、その後はペースを落とし、ストレッチ等にも時間を割き、合わせて2時間以内の運動に切り替えました。体重の減少はそこでほぼ変化がなくなり、その後はジムに通いながらも2年近くかけて3-4キロ増え、70キロ強の状態で推移していました。
食事に対する考え方はこの時にもある程度変っていたと思います。最初は食べるものを選ぶようになりました。同じ肉を食べるにしても、油を使ったフライや中華料理はカロリーが大幅に増加するため、避けるようになりました。運動で減らすのは大変だということも理解しましたし、同じカロリーで食べられる量が大きく異なってくるのです。食事は中華料理店等は避け、刺身等の日本食をメインに取るようになりました。それでも、量を減らしたわけではなく、刺身定食などでは、一人前が400kcalはあろうかという大盛りご飯を平気で平らげていました。この頃の食事は一日2000kcal以上だったと思います。
そして今回のダイエットでは、この食事の見直しを行いました。運動しなくても体重が増えないレベルまで食事を見直しました。カロリー計算のを行ったというのではなく、最低限満足できるレベルの食事量を模索したのです。
食事では満腹ではないが、ある程度満足できるというレベルを設定しました。結果としては、バランスの良い朝食を基本に、昼も夜も差別なくする。つまり、朝食を3回にするというものです。お店で食べるレベルの満腹に近い食事に慣れていた体には最初はかなりつらかった。デザートをつけることによって、食後の血糖値を上げて、満足感を得る方法が役立ちました。
最初はあまり効果がでませんでした。外食も多かったからかも知れませんが、あまり体重が減るわけでもなく増減を繰り返していたのです。外食だけでなく間食もあったことが大きな理由ではないかと思います。それが、春に収穫した夏みかんマーマレードを食べるようになると、体重が減少し始めたのです。夏が近づき暑くなっただけという家族の意見もあるのですが・・・。相関は明確でないかも知れませんが、夏みかんマーマレードを食べ始めてからの1ヵ月ほどで急激に体重が減り始めたと確信しています。あまり意識していなかったのですが、気がつくと3キロほど体重が減少していました。それから一気に減量にアクセルがかかったのです。
ちょうど、iPhone4が発売され、体重管理をiPohneで始めてみると、非常に使い勝手がよく、毎日体重の記録をつけるようになりました。過去の体重も、体重計のメモリーに残っているデータを入力しました。ここから、記録することとダイエットがうまくかみ合うようになり、目標管理もできることがあいまって、一気に目標体重の達成に向かうことができました。運動部で激しい運動をしていた大学生時代の体重まで、一気に減量してしまいました。
この間、やはり一番気を使ったのは食事でした。ジムに行く回数は極力減らさない努力をしていましたが、運動量は増やしてはいません。基本的に外食では必要カロリーをはるかに超えるエネルギーを摂取してしまいますので、外食は極力控え、外食をするにしてもカロリーは控えめにしました。ちなみに、郊外レストランでも、1種類か2種類は500kcalを下回る食事もありますが、多くは最低でも600kcal、標準的にセットで出されている定食類は1000kcalを超え、多いものではデザートのついたランチコース程度でも1500kcal、選び方では2000kcalを超えます。
現在は、バランスの良い朝食のような350kcalから500kcalの食事を1日に3回しています。ただし最後にデザートをとり、満足感を得る工夫をしています。夕食は夕方に摂るようにし、夜遅くは食べないというのが基本です。
質素な食事をしながら、ある程度の運動をしていても、簡単には体重は減っていかないのです。人間の食事というものがこんなにも質素なもので良いのかということを実感できます。運動をしないで体重を維持するためには、今の食事でも十分多いのではないかと感じます。我々の生活は、本当は食べなくても良いものを、満足するまで食べている状態にあるということに気づかされます。レストランはお客に満足度を提供するために、必要以上のカロリーの食事を定番メニューに据えています。勢い、我々は食べすぎ、飲みすぎになります。
満腹感や贅沢な食事を楽しむことは決して悪いことではありません。ただし、毎日楽しむことは危険です。人間には必要な食の量は、かなり少ないレベルにあるのです。それは、意外なことに外食で出される一食分の半分程度あるいはもっと少ない量でしょう。
考え方によっては空腹は幸福です。求めるもの、自分のなかに常に要求があることが幸せなのです。今回のダイエットから、少ない量でも、食事を工夫し、美味しく頂けるようにして、食事を楽しむことが必要だということを学んだように思います。