2010年11月18日木曜日

本:人はなぜ太るのか(2)

前回に続き、「人はなぜ太るのか」について気になった内容、グリセミック指数について記載します。


グリセミック指数
食品によって食後の血糖値の上がり方に大きな違いがるらしい。その血糖値を上げる指数が、食品によって異なるらしい。この指数をグリセミック指数という。グリセミック指数の大きな食べ物は、血糖値を急激に上げる代わりに短時間で空腹感を感じさせるため、間食を促してしまうらしいのです。

グリセミック指数の大きな食べ物には、当然ながらブドウ糖(指数100)がありますが、ブドウ糖についで大きな指数が、フランスパン(90-99)、かなり下がって通常のパンやコーンフレーク、マッシュポテト、砂糖、にんじん、かぼちゃ、ドーナッツ等(70-79)、さらに50-59の値には、ご飯、オートミール、ジャガイモ、とうもろこし、バナナ、キウイ、ポテトチップス、ポップコーン、オレンジジュース等があります。その下40-49に、なぜかぶどう、オレンジ、チョコレート、アップルジュース、グレープフルーツジュース等があり、30-39には、スパゲッティー、ヨーグルト、リンゴ、梨など、20-29にソーセージ、牛乳、グレープフルーツ、さらに下に10-19のピーナッツがあります。

こう見てみると、高カロリー食品のピーナッツが一番低かったり、チョコレートがご飯より低かったり、にんじんと砂糖が同じレベルであったり、以外な食品が下のほうにあったりします。かなり驚きではあります。怖いのは、脂肪もカロリーも多いピーナッツがグリセミック指数が小さいということは、なかなか血糖値が上がらないそうです。

一方、血糖値が下がると空腹感を感じるらしいですが、その他にも色々と空腹感を感じさせる要因があります。血糖値以外では、アミノ酸、脳の温度、知脂肪レベル、精神的なもの、またある種のホルモン等があるため、血糖値だけで話すのは難しいようです。一方で、血糖値があがれば満足感が得られるかというと必ずしもそうでもないようです。考えてみれば、食パン6枚切り1枚が約150kcal、ご飯軽く一杯(お店にある一番小さいご飯茶碗)に一杯程度で、やはり150kcalです。私はどちらが満足できるかというと、ご飯一杯のほうです。グリセミック指数は食パンの方が高いですが、満足感はやはりご飯です。同じ150kcalならパンは60-70グラム、ご飯は水分が多いため120グラムありますので、この重さの違いがお腹の膨れ方に違いを生じさせる、あるいは精神的な満足になっているのかもしれません。

私のこれまでのt理解に若干の誤解があったのは、食後の甘いものです。満腹感を得るためにグリセミック指数の高い食品を最後に食べ、食後の満足感を得ることを考えていたのですが、もしかしたらグリセミック指数の高い食品は最初、あるいは食事前予防のために食べたほうが良いかも知れません。一方で、グリセミック指数の高い食品ばかりでは、腹持ちせず、次の食事までに間食をすることになりますので、グリセミック指数の大きいものと小さいものを組み合わせて食べるのが良いようです。グリセミック指数の低い食品が良いとしています。運動をするには、バナナが良いとの事で、バナナには幾つかの糖質が組み合わさっており、長短兼ね備えたエネルギー源として理想的なようです。

本では、ダイエットにはグリセミック指数の低い、腹持ちの良い食品を食べることを推奨されています。ただ、脂肪のことについてはここ炭水化物のところでは何も言っていません。

たんぱく質
もう一つの驚きは、必要以上のたんぱく質摂取は結局排出され、無駄になるということです。たんぱく質はある量までは吸収できますが、限度をこえると分解されて排出されてしまうとのこと。プロテインの大量摂取はあまり意味がないということです。良質のたんぱく質は肉、牛乳、魚、大豆等にあるが、肉と牛乳には脂肪が多く、それらからたんぱく質を摂取すると脂肪の取りすぎになる可能性があるということです。できればたんぱく質は魚や大豆製品から取るのが望ましいようです。

食事の満足感
色々と勉強になっていますが、この本で言及されていないのが、食事の満足感についてです。グリセミック指数や血糖値が大きな要素でしょうが、満足感といいう精神的な要素が体重を減らすという意味では大きな要素であるような気がします。私は、グラムあたりのカロリーや見かけの量も精神的に大きなインパクトがある気がします。少なくとも、炭水化物控えめ、低脂肪、高たんぱくはダイエットには必須でしょう。それと同時に、間食をしないためには、食事の合間には、何かに集中しているということが重要です。空腹を忘れ、のどの渇きも忘れ、集中することも大きな要素です。

時間をかけて運動することで、その時間は食事の誘惑から逃れることができます。運動後に食べ過ぎなければという条件付ですが。

グリセミック(Glycemic Index)指数追記
グリセミック指数の測定方法がいかにも分かりにくいので確認しました。

  • 糖質と同量(例えば50g)の炭水化物(50g)を含む食品を食べた後の血糖値の上昇を測定し、その2時間までの上昇値の積分値を基準がブドウ糖ならブドウ糖の場合と比較してその比率を測定したものだそうです。基準値には、ぶどう唐の場合と食パンの場合がります。測定は最初の一時間は15分ごと、それ以降は30分毎ということですので、合計で6点での評価になります。
2時間というのは結構長い時間間隔で、現代ならもっとグラフでデータが出され、食品毎のカーブが出されても良いのではないでしょうか。少なくとも満腹感を感じるなどという時間間隔ではありません。ブドウ糖のカーブでさえ、食事時間の15分程度ではあまり上がらないようで、30分から45分でピークに達するようです。また、食品の分解のされ方にも大きく影響され、スパゲッティーがグリセミック指数が低いのは、非常に硬い食品であり、分解に時間がかかるからのようです。その様な観点から見ると、食パンがグリセミック指数が高いのは、スポンジのような構造のため、お腹の中で消化されやすいことによるのだと考えられます。ご飯が食パンより低いのもその観点からも理解されます。きっと、食パンの耳だけを食べた場合には、グリセミック指数は低くなるでしょう。同じお米でもご飯よりせんべい、小麦粉でもパンよりクッキーは分解が遅くなるということです。ご飯もよく噛まない場合と、よく噛んで食べた場合には血糖値の上昇には差が出るでしょう。そしてスパゲティーをアルデンテで食べるのが一番腹持ちが良いということになります。
一方で、たんぱく質、脂肪その他を含む食品でも、炭水化物のみを計算しています。炭水化物50gというのは、炭水化物の含有量が少ない食品は結構沢山食べることになります。

グリセミック指数の測定データを見ると、血糖値があがるには一番あがりやすいブドウ糖でも、ピークをつけるには30分程度かかるようで、血糖値の上昇が食欲を抑えるには遅すぎるように思われます。

太らないための基本は、エネルギー源である炭水化物の過剰摂取をしないことが重要なようです。

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